自分史上傑作ノート

~武者修行中~

世界新記録樹立

リオ五輪大会7日目、新たな世界新記録が誕生した。

女子1万メートル決勝、エチオピアのアルマズ・アヤナ選手が93年に打ち立てられた世界記録を14秒33も大きく塗り替えた。

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レースは5000mを14分40秒のハイペースで展開。

5200mを超えたあたりでスルッと抜け出し、3連覇を目指すディババ選手など有力選手を大きく引き離し、そのままのペースを保ちゴールした。

23年間塗り替えられなかった記録なだけに一部ではドーピング疑惑なども噂されている。

それほど驚愕の記録を叩き出したのだ。

近年、アフリカ勢の中距離、長距離の強さが際立っている。

もともとアフリカ勢は歴史的にも強豪国なのだが、近年の成長は目覚ましい。

特にエチオピアは中距離の世界では歴史上、常に上位に君臨している。

 

なぜエチオピアのアスリートは足が速いのか!?

 

同国のランナーたちは皆、すらっとした体形に長い手足、腰は高く、胸を張り、スライドが大きいフォームが特徴的。

レース終盤になっても疲れを見せず静かに走り抜ける。

実は同国、1956年の五輪以来、夏季五輪で金メダル21個、銀メダル7個、銅メダル17個の合計45個のメダルを全て中距離で獲得している。

まさに中距離大国と言える驚異の成績だ。

 

強さを生み出す秘密はハイランドの地形が体を作ることにある。

エチオピアは山岳の国で国土の4分に1が海抜2000m以上、北部では4500m級の山々が広がる。

高地の空気は極めて薄く、昼夜の温度差も激しい。

このような厳しい環境、気候、地形の中で、幼い頃から時間をかけ学校に通ったり、水を汲むために何時間もかけて水汲み場まで歩く。

多くの同国ランナーは貧しい農村出身という環境の中で育ってきた。

何世紀にも渡って受け継がれてきた高地に強く、さらに持久力のある遺伝子が今の人々へと遺伝している。

この遺伝子と厳しいストイックな練習が同国ランナーの能力を最大限に引き出している。

それらの能力を大会で確実に発揮できるからこそ驚異の数字を叩き出している。

 

アフリカ大陸はこういった厳しい環境の地域が多い。

そのため能力の高い選手がたくさん輩出されている。

まさにアフリカ大陸の国々は、持久力に長けて人種であると言える。

 

アルマズ・アヤナ選手もエチオピアの山岳地帯にある小さな貧しい家庭環境に育った。

働きながら林などを走って練習していた。

まさに同国ランナーの特徴に完全にマッチする選手だ。

 

今回の世界新記録の樹立は彼女の遺伝子と努力の賜だ。

記録樹立後、今大会はドーピング問題で大きく揺れているため当然記者はインタビューで「ドーピングはしていますか?」といったような質問を投げかけた。

それに対し彼女は「私のドーピングはトレーニングと神様よ。」と答え身の潔白を宣言した。

 

今後彼女が走るレースは注目が集まることは間違いない。

さらに驚愕の記録を叩き出し、ボルトのように伝説になるだろう。

次はどのような記録が飛び出すのか!?

彼女のレースに注目したい。